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観音経意訳絵本「かんのんきょう」
 
 一般的に「般若心経」に次いで人気なのがこの「観音経」だと言われていますが、私には、大きな疑問がありました。それは、前半と後半の内容が表現は少し違うものの重複している箇所の存在でした。この点について、たくさんの文献や解説書を読みあさりましたが、その多くは【重要だから強調しているのだ】という解釈が主流のようでした。でも、私はずっと納得できなかった。
 ある日、意訳してみようと軽い気持ちで取り組んだところ、その完成間際に、全身に衝撃が走り、目の前の大きな扉が開いたような発見がありました。
 そもそも重複していた箇所とは、確かに一番重要な「七難救済」の部分。しかし、強調のためでは無かったのです。そのヒントは、観音経の中でも一番有名なフレーズで後半に出てくる「念彼観音力」。あまりに有名なフレーズのために見落としていたその真意とは「あなたが観音様の力を使えば」だったのです。
 実は、最初の「七難救済」とは、この難から、我々を救ってくれる観音様の力が書かれているのですが、後半に登場する「七難」とは、その「難」を生み出してるのはあなたである。つまり、あなたが「難」を起こさなければ、誰かの難は消えるという意味でした。
 つまり、前半は被害者としての「七難」を。後半は加害者としての「七難」を指していたのです。誰もが「七難」を消し去る「観音様」の力を持っている。このことを子供たちにも伝えたい。私が絵本というメディアを選んだ理由です。
 
 
 
 
 
 

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