観音経意訳絵本・第八巻「じゅんていかんのん」

あとがき

　　　　　　皆さんは、自分が【幸福】だと実感できていますか？　
もし、実感出来ているとしたら、その根拠は、なんでしょう？
　現在、我々の暮らすこの社会は、物質化社会と言えます。
それは、形あるものによる総量で、その【幸福】の度合いが決まるというモノです。
つまり自分が何をどれだけ持ってるかということなので、それには比較する何かが無いと【幸福】を実証出来ません。
そして、その比較対象となるのが、他人です。
このことからこの物質化社会における【幸福】とは、相対的なものと言えます。
　その結果、自分より【幸福】な人間を目の当たりにせざるを得ません。
そして、そこから生まれるのが【怨み・妬み・そねみ】であります。
時として、これらの感情は、自らのエネルギイとして昇華させることもありますが、
多くの場合は、負の行動を引き起こし、自らをも貶めることになりかねません。
誰であっても【幸福】になりたいのです。
しかし、絶対的な【幸福】とは、あるのでしょうか？
　あります。簡単なことです。【何が幸福であるかは、自分で決める】のです。　

神仏絵師・昌克
2018年5月