観音経意訳絵本・第五巻「ばとうかんのん」

あとがき

   今回登場する馬頭観音様は、はっきりいってあまり人気があるとは言えません。
まず、だいたいの仏像が怖い顔をしているから。
それもそのはず、別名・馬頭明王様と呼ばれるそのお顔は、観音様とは言い難い憤怒の相をされているからです。
 しかしながら、この観音様は、もっとも身近と言えるかも知れません。
古来、馬は交通や輸送の手段でした。
そのため馬の名を冠した馬頭観音様は、交通安全や、
災禍が村などに入ってくること【風難】を防ぐため、村の辻などに祀られていました。
実は、お地蔵様だと思っていた石像が、この観音様だったなんてことは、よく有ることです。
 ところで侵入してくる災禍【風難】とは、なんでしょう。まずは、病を思い浮かべますよね。
実は、悪いうわさを[風難]と言うように、情報の持つ怖さもしっかりと認識されていたのです。
 この【風難】、時代とともにますます情報の速度が上がっています。
思考や検証がついていけず、ふりまわされてしまうことは、皆様も経験あるのではないでしょうか?
そして、知らぬ間にあなた自身が【風難】を起こすとも限らないのです。 

神仏絵師・昌克
2016年8月

 
 
 

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